看護職からIT系への転職を検討してるけど、SESって何?
看護職からIT系に転職する人っているの?
インターネット上には転職経験が綴られたブログ等がたくさんあるので、看護職からIT業界に転職した人がどのくらいいるか調べてみました。結果、決して多くはないものの、いくつか体験談を見つけられました。
看護職からIT系への転職の場合は、社会人経験は積めたとしても職業スキルで言えばほぼ未経験の状態となります。IT業界はスピード感あるテクノロジーの発展と元来から続く慢性的な人手不足という点から、未経験での募集が多い傾向にあります。
そのためITスキルが全くない業界未経験の状態であっても、転職できるチャンスは多い方と言えます。看護系から転職する人の中にはプログラミングでしっかり学んでIT業界への転職を目指す人の記事もありました。
看護職からIT業界への転職者は特別多いわけではないものの、不可能な道ではないということを前提として記事の続きを読んでいただければ幸いです。
なおこの記事ではIT業界の雇用形態の一つであるSESについて取り上げます。転職サイトで良く見かけるもののいまいち実態が掴めていない人はぜひ読み進めてみてください。
以下記事では看護師だった方がIT系オンライン教育プログラムを提供する「テックキャンプ」の受講をしたという経験談が掲載されていたので参考程度にご覧ください。
憧れだった看護師を辞めてITエンジニアに 「人とつながる」テックキャンプならオンラインでもやりきれる
以下サイトでは、看護職に就いたもののすぐに転職を考え始めた人に向けたプログラマーへの転職について紹介された記事がありました。あわせてご覧ください。
看護師を辞めたい一年目は「プログラマー」の素質あり【理由あり】
SESってどんな働き方?派遣ではないの?
SESは「システムエンジニアリングサービス」の頭文字をとった略称です。雇用側としては、IT企業に就職した後に、別のIT企業に出向して日々業務をしていくイメージと思ってもらえれば良いです。
アウトソーシングと言ってイメージが付きやすい人は、IT専門のアウトソーシング会社がSESとなります。
請負や受託という契約の場合はシステム開発やソフトウェア開発を自社で行って、成果物を納品するという形態になりますが、SESの企業はエンジニアを雇って、クライアント先には抱えるエンジニアの労働力やスキルを提供します。
入社まもない研修期間中や、出向先でのプロジェクトが終了してから次の案件が入るまでの間は雇用元に出社することもありますが、在籍中のほとんどの期間を出向先で過ごすことが多い働き方です。
そのため経理処理等の事務的なやり取り以外のコミュニケーションは、直接雇用されているSES企業より、出向先と取ることがほとんどとなり、雇用元のその他社員を知らないということも珍しくありません。
SESのメリット
SESのメリットは採用されやすいという点があります。SES企業はいつクライアントからの依頼が入ってもいいように労働力を常時確保しておく必要があります。
もちろんそれなりのスキルを持った即戦力の人材が欲しいところではありますが、スキルが未知の状態であってもできるだけ多く採用して、研修等を整備しながら出向可能な人材を育成していく場合もあります。
入社後に長くエンジニアとして活躍できるかは自分の努力次第とはなりますが、自社開発や自社サービスの企業等よりは未経験でも入社しやすい企業となります。
もう一つのメリットは、エンジニアになった後に習得できるスキルの幅が広がるという点です。
SES企業の場合、クライアント先の要望に答えないと成り立たないため、多様なクライアントから、様々なスキルを求められることがあります。時には少し勉強した程度でも条件に一致する場合はクライアント先に送られることもあります。
そうなると対象スキルへの得意不得意は別として、否が応でも対象スキルを深めていく必要に駆られるため必然的に身につくようになります。半ば強制的にではありますが、これを繰り返すことで豊富な知識は得られる可能性があります。
最後に挙げるメリットは企業とのコネクションです。出向先はSES企業の取引先ですが、中には大手IT企業との取引があって、自分がそこへ出向する場合もあります。
決して個人や、自社開発の会社では得られないコネクションを作る機会も得られるのがSES企業のメリットです。また余程劣悪な環境の企業に出向とならない限り、クライアント先の社員と同社の社員同士のような関係性が構築できることも珍しくありません。
SESのデメリット
一つ目のデメリットは、自分の所属が曖昧になることです。契約はしっかり交わされているのでそこが有耶無耶になることは決してないですが、実際の社員は雇用元会社への愛着がないという状況は起こり得ることです。
二つ目は出向先が頻繁に変わる場合、毎回クライアント先の環境に順応していく必要がある点です。元々適応能力がある人は問題ないですが、人によってはITスキル等の実務的能力の前に、適応能力が求められることになります。
三つ目は年収があまり高くない点です。どんな大企業や大プロジェクトに関わったとしても給料を調整しているのはSES企業であり、独自の評価システム等に則って給料を決めていくため、劇的な収入アップを見込める可能性は低いです。
基本的にお互いに公開することはタブーであったり、規則で決められていることもありますが、出向先で直雇用の社員と全く同じ業務を行っているにもかかわらず、SES企業から出向している社員の方が給料が少ないということもあります。
そういった事実を知った時に継続していけるかというところがSES社員の重要な点となります。
以下サイトでは今回紹介した以外のメリット・デメリットについて、SESや派遣等の雇用形態の違いについて紹介されていたので、詳しく知りたい人はご覧ください。
SESとは? ブラックSES企業の見極め方やエンジニアのキャリアパスと合わせて解説
SESの代表的な企業や未経験の求人状況を紹介
SESの企業は結果としてそうなっていることもあり、大々的に掲げているところが少ないので、SESの仕組みを知った後に、気付いたらあの有名企業もSESだったと気づくことも少なくありません。
派遣会社に近いところもありますが、実際の派遣会社はIT系の派遣会社等と明記していて、SES企業は別の言い方でもアウトソーシングと表現されることが多いので、現状両者は棲み分けがされていると言えます。
SESの代表的な企業としては富士ソフト株式会社があります。1970年に創立した歴史ある企業で日本各地に事務所が置かれています。
歴史の長い企業としては株式会社システナがあります。組み込み系、制御系、Web開発等の分野に特化しているSES企業と言われています。
歴史は長いものの最新技術にも積極的な姿勢が見られるコムチュア株式会社もSES企業の一つです。他にも株式会社昭和システムエンジニアリング、株式会社エクストリーム、株式会社システムサポート等があります。
SES系の求人状況
今回、看護職からSESを目指すことを仮定して、未経験の求人状況を確認してみました。なお大々的にSESとして求人を出していないところもあるため、「SES 未経験」というキーワードの他、「IT アウトソーシング 未経験」でも検索しています。
なおSES企業の求人に関して、例えば東京等に勤務地を絞って検索した場合、SES企業がある場所が東京であるため検索に引っかかったとしても実際の勤務地は神奈川や埼玉といった東京近郊になるような案件もあるのでご注意ください。
未経験SESの求人 /indeed
未経験アウトソーシングの求人 /indeed
未経験SESの求人 /求人ボックス
未経験アウトソーシングの求人 /求人ボックス
以下は東京に絞ったSESの求人です。
未経験SESの求人/Simply Hired
未経験アウトソーシングの求人 /Simply Hired
IT系に転職するにあたって勉強しておきたいこと
IT業界は資格が必須となるような職種はほとんどありません。そのため看護職から転職する場合もすぐに転職先を探して求人に応募することも可能です。それでも心配だから事前に知識を蓄えたいという場合におすすめの情報を紹介します。
資格は必須ではないものの、知識をつけるきっかけとして資格取得を目指したいという際におすすめなのは情報処理技術者試験です。IT系の国家資格なので聞いたことがある人も多いことでしょう。
情報処理技術者の内容は実務に直結しない部分も含まれてはいますが、ITシステムを全体的に把握するために欠かせない知識ばかりなので、勉強しておいて無駄になることはありません。
情報処理技術者が難しすぎるという場合は、IT系への導入部分の知識が中心となるITパスポート試験の取得を目指してみるのもおすすめです。資格試験のほとんどは専門の書籍があるので、誰でも独学できます。
資格取得は目指していないが、ITに関わる知識を事前に習得しておきたいという場合は、インターネット上で勉強する方法があります。
IT関連の書籍はたくさん出ていますが、書籍は分野ごとに細かく分かれていて、やりたいことが決まっていないと中々購入に踏み出せないというところがあります。
インターネット上の情報は有料のものもありますが、無料でも基礎知識は十分身に付けられるのでおすすめです。
近年は、様々なプログラミング言語のスキルを身につけられるような動画での学習サイトもたくさん出てきているので、プログラマーを目指したい人はぜひ試しに覗いてみてください。
プログラミングに関してはプログラミングスクールもあって、オンラインで受講できるものもあります。受講費用が多くかかってしまうものもあるので、出費が問題ない場合や、自分に適している勉強方法と思う人はご検討ください。
以下サイトでは学習サイトやプログラミングスクールについてまとまった情報が紹介されていました。ぜひ参考としてご覧ください。
プログラミング学習サイト10選|独学でもプログラミングスキルが身につく
看護職からSESのITエンジニアに転職して様々な現場で活躍しよう!
看護職が自分に向いてなかった、看護職で体を壊してしまった等、様々な理由で異業種への転職を考えている人もいることでしょう。
IT業界は直接人の命に関わる仕事ではないものの専門知識の習得や次々と出てくる最新知識を常に取り入れていかなえればならないという苦労があります。
これまでとはまた違った面での苦労は発生しますが、看護職からの転職等、業界未経験者の受入窓口が広めの職種ですので、今回紹介したSES含め、転職先として検討してみてはいかがでしょうか。
最後に未経験からSES企業に転職した人のブログがあったのでリンクを貼っておきます。なおどちらかというとSESに対してのマイナス面がメインに綴られています。あくまで判断材料の一つとしてご覧ください。